マインド

 

 精神世界では「マインドとは何か」との一定の定義なくしてマインドは曖昧に語られていますが、この曖昧さ故に自我意識(エゴ)を語るには重宝な語彙(ごい)ともなっているようです。

 エゴが生まれる意識構造にはアイデンティティ(自分の価値を代替させているもの) の大きな影響があり、マインドは アイデンティティ と結託して自分のフィールドで息づいています

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 マインドとは、簡単に言えば五感で感じたものを記憶している既知フィールドです。善悪や好き嫌いの条件付けを観念として温存し、感情を伴った自我活動のエネルギー源としているフィールドです。

 それは決して「今」と繋がることのないフィールドで、「自我を感情のままに無意識に動かしてしまう媒体」とイメージされたらいいと思います。

 

 英語でマインドを動詞にすると、Do you mind… Would you mind… と相手の意思と意向を窺ったり、尋ねたりするときに使います。それは「お気に召しますか? 召しませんか?」と、マインドの本音からすると「あなたの好き嫌い(無意識に条件付けられたエゴ)に反しますか?」と尋ねているようなものなのです。

 お馴染みの「マインドコントロール」という言葉の意味は、このマインドの無意識反応の特性を利用して人の判断や意向を一定の方向に向けさせるようと仕込むことです。マインドコントロールにとっては「無意識」が常にポイントなのです。マインドは日和見主義で明確な自分というものをもちません。それ故に「アイデンティティ」に自分を委ねます。一方で魂の核である個性なき純粋意識は決してマインドやアイデンティティに操られることはありません。

 魂は操られているのではなく、マインドやアイデンティティに覆い隠されているのです。